演習問題1
σ∈Gal(L/F)だからσはF上恒等なので、F⊂LH。また0,1∈LH。
σはL上の自己同型だから、α,β∈LHに対し
σ(α+β)=σ(α)+σ(β)=α+β, σ(αβ)=σ(α)σ(β)=αβ, σ(α-1)=α-1
となるので、σ(α+β), σ(αβ), σ(α-1) ∈LHで一意なので、LHは体。
LHの定義によりLH⊂Lだから、LHは Lの部分体である。
演習問題2
fのF上の分解体をL'とする。fの作り方から、
L'はF上の既約多項式qi (1≤i≤r)の根を全て含むので、L⊂L'。
またF⊂Lは正規なので、各qiはL上完全分解するからL'⊂L。
したがってL=L'なので、LはfのF上の分解体。
演習問題3
α,βのF上の最小多項式をそれぞれf,gとし、fgの分解体をKとすると、
α,βはF上分離的だからf,gはF上分離的で、Kにおいてfg は完全分解し、
fの根をα1=α,...,αdeg(f)、gの根をβ1=β,...,βdeg(g)とすると、
K =F(α1,...,αdeg(f), β1,...,βdeg(g))
(もしあるi,jについてαi=βjならf=gとなるので、
このときは単にK =F(α1,...,αdeg(f))と同じこと)。
F⊂Kは定理5.1.5により有限次代数拡大だから、
命題7.1.6によりKはF上分離的である。
したがってα+β,αβ,α/β∈K∩LもF上分離的。
つまり得体の知れないLなど無視して分解体で考えればいい
演習問題4
(標数0なら補題4.4.2と定理5.3.7(b)によりF⊂Lは分離的)
(a)
演習問題3によりKは体だからKはLの部分体で、
Fの元は全てF上分離的なのでF⊂K。
したがって体Kの元が全てF上分離的となるので、
F⊂Kは分離拡大。
(b)
F⊂Lが分離的ならK=Lは自明だから、F⊂Lは分離的でないとする。
定理5.3.15(c)により、F⊂KまたはK⊂Lは分離的でないが、
(a)によりF⊂Kは分離的なのでK⊂Lが分離的でない。
Kの定義により、L∖Kの全ての元はF上分離的でなく、
したがってK上分離的でないから、K⊂Lは純非分離拡大。
演習問題5
有限次拡大F⊂Lは分離的だから、命題7.1.6により、
F上分離的なα1,...,αn∈Lが存在してL=F(α1,...,αn)。
命題7.1.6の証明と同様に、α1,...,αnの最小多項式p1,...,pnのうち、
異なる多項式q1,...,qrをとり、f=q1...qrとすれば、
fのL上の分解体Mが、F⊂LのGalois閉包である。
MはfのL上の分解体なので、系5.1.7により他のfの分解体との間に、
L上恒等である同型が存在するから、
F⊂LのGalois閉包は同型を除いて一意である。
演習問題6
Galois閉包から分離性を外したものが正規閉包で、
命題7.1.7の類似は:
F⊂Lを有限次拡大とする。このとき次のような拡大L⊂Nが存在する。
(a) F⊂Nは正規拡大
(b) 他の正規拡大L⊂N'に対し、L上恒等となる体の準同型φ:N→N'が存在する。
命題7.1.6や命題7.1.7の証明で効いている系5.1.7や定理5.2.4においては、
系5.1.7では分解体の一般的性質だけが用いられており、
定理5.2.4では拡大が有限次正規拡大であることが本質的である。
分離性は、正規拡大がさらにGalois拡大になるために導入されているに過ぎない。
したがって、証明は命題7.1.7と同様で、ただし分離性を外すだけでよい。
演習問題7
演習問題6で示したように、演習問題5で分離性を外すだけでよい。
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