分解体って不思議・・・。
演習問題1
ℚ(∜2)があるℚ上の多項式fの分解体と仮定する。
ℚ(∜2)があるℚ上の多項式fの分解体と仮定する。
g=x4-2はSchönemann-Eisenstein判定法(定理4.2.3)においてp=2とおくことにより、
ℚ上既約で、∜2は一つの根である。
故に命題5.2.1により、gはℚ(∜2)上完全分解しなければならない。
ところがℚ(∜2)⊂ℝ だから、gの他の根∜2ζ4=i∜2∉ℚ(∜2)なので、
gがℚ(∜2)上完全分解することは不可能。
よってℚ(∜2)が分解体となるℚ上の多項式は存在しない。
演習問題2
F⊂Lは代数拡大なので、全てのα∈LはF[x]の元に根を持つ。
すると補題4.1.3により任意のαのについてF上の最小多項式p∈F[x]が存在して、
命題4.1.5によりpはF上既約だから、
PF⊂L[x]={p|α∈L , p∈F[x], p(α)=0, pはαのF上の最小多項式}とすれば、
PF⊂L[x]はLに根を持つすべてのF上の既約多項式の集合。
全てのα∈L に対して、F上のαの最小多項式がL上完全分解するとすると、
PF⊂L[x]の全ての元がL上完全分解するから、定義5.2.3によりF⊂Lは正規。
逆にF⊂Lが正規なら、定義5.2.3によりPF⊂L[x]の全ての元がL上完全分解するので、
全てのα∈L に対して、F上のαの最小多項式がL上完全分解する。
演習問題3
(a)
1, ζn, ζn2,...,ζnn-1∈ℚ(ζn)と命題A.2.1から、ℚ(ζn)はxn-1∈ℚ[x]の分解体。
定理5.2.4によりℚ⊂ℚ(ζn)は正規拡大となる。
(b)
ℚ(√2,∛2)⊂ℝだから、ℚ(√2,∛2)は、
∛2の ℚ上の最小多項式x3-2の他の根∛2ω,∛2ω2∈ℂ∖ℝを含まない。
したがって、x3-2はℚ(√2,∛2)上完全分解しないから、ℚ⊂ℚ(√2,∛2)は正規でない。
(c)
x3-tの分解体Lにおいてt=α3なので、L上でx3-t=x3-α3=(x-α)3だから、
x3-tの根はαのみとなり、L=F(α)。
したがって定理5.2.4によりF3(t)⊂F(α)は正規拡大。
演習問題4
代数的数の体をℚ としてℚ⊂ℚは、定理4.4.10により明らかに正規拡大で、
4.4節演習問題1により無限次拡大である。
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